注意事項・変圧器の取扱説明

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変圧器を安全にご使用するにあたって 注意事項

  • 注意

    感電・火傷・けが・火災の原因になります。
    以下の事項を必ずお守りください。

    • ●定格を超える電圧・電流・容量で使用しない。
    • ●配線作業は、感電の恐れがあるため、必ず電源を切った状態で行う。
    • ●電源・負荷への電線の接続を間違えない。
    • ●通電中の変圧器の端子には感電の恐れがあるため、絶対にさわらない。
    • ●通電中・直後の変圧器には火傷の恐れがあるため、絶対にさわらない。
  • 注意

    変圧器や周辺機器を損傷させる原因になります。
    以下の事項を必ずお守りください。

    • ●水平な安定した場所にしっかり固定する。
    • ●振動のある場所には設置しない。
    • ●高温多湿の場所・水のかかる場所・腐食性ガスや粉塵がある場所に設置しない。
    • ●変圧器の周囲には、適切な放熱の空間を設ける。
      (変圧器の温度は、100℃を超える場合があります。)
    • ●燃えやすい場所及び燃えやすい物の近くには絶対に設置しない。
    • ●変圧器をケースに収納する場合は、通気口のある金属製ケースを使用する。
    • ●変圧器には適切な保護機器を付けて使用する。
    • ●変圧器の鉄心やケースは、必要に応じて基準に従って接地する。
    • ●改造・分解・修理は行わない。
    • ●定期的に保守点検を行う。

福田電機製作所の変圧器をご使用の前に 変圧器の取扱説明

福田電機製作所の変圧器をご使用前に、この取扱説明書をよくご覧になり、正しくご使用ください。

  1. 1設置・配線作業

    設置・配線作業等は、電気工事士・技能士等の有資格者または 同等の技能・知識を有する者の監督指導のもとに行なってください。

  2. 2お使いいただく環境条件等

    上記以外の特殊仕様状態については、ご相談ください。

  3. 3変圧器の保護機器

    変圧器の使用にあたっては保護のために適切な保護機器をご使用ください。

    ●変圧器一次側の保護機器 変圧器は、電源印加時、定格一次電流の30 倍前後の突入電流が流れることがあります。定格一次電流の1 倍~3倍の電流定格のノーヒューズ遮断器又はヒューズを用いてください。(変圧器個々に突入電流値は異なりますので、お問い合わせください。) なお、逆V変圧器は、定格一次電流の2 倍~6倍の電流定格のノーヒューズ遮断器又はヒューズが必要です。

    ●変圧器二次側の保護機器 定格二次電流を超えない電流定格の遮断器又はヒューズを用いてください。

  4. 4変圧器の容量計算

    単相変圧器の容量=二次電圧×二次電流

    三相変圧器の容量=二次電圧×二次電流×√3

    単相AC100V-定格100Wのモーターを例に挙げると、
    モーターはcosθ(力率)が必ず存在します。・・・・・cosθ=70%=0.7と仮定します。
    上記W(ワット)の式より、100W=100V×A×0.7 ⇒ A=100W/(100V×0.7)≒1.43【A】
    よって、モーターが定格100Wを出力するためには1.43【A】の電流が必要となります。
    誤ってW=VAで計算すると、100VA=100V×A ⇒ A=100VA/100V=1【A】(<1.43【A】)
    正しいVAでの計算は、VA=100V×1.43A=143【VA】(>100W) となります。

    これらは、皮相電力と呼ばれ、単位はVA(ブイエー)やkVA(キロブイエー)で表します。(設備に関係します。)
    また必要な容量は、使用する負荷によって力率や効率が異なるので、機器のW(ワット)でなく、実際に機器に流れる電圧×電流(VA)で計算することが必要です。
    (三相はさらに×√3)

  5. 5変圧器の周波数

    弊社では、変圧器の定格周波数を、原則として50/60Hz 共用で製作しております。お客様より、周波数 60Hz 専用のご指定のあるものは、60Hz にて製作可能です。但し、60Hz専用にて製作した変圧器は、50Hz では使用できませんので、ご注意ください。

  6. 6仕様、外形、重量

    別ページにある各製品の外形図をご参照ください。

  7. 7据付

    本変圧器重量に耐えられる水平な場所に設置し、適切なボルトで締め付けて固定してください。

  8. 8接続

    必要な太さの入力・出力ケーブルを変圧器の端子に接続してください。入力端子と出力端子を間違えないようにしてください。

  9. 9保守

    定期的に本体の掃除を行ってください。
    定期的に変圧器単体にて絶縁抵抗を測定し、充電部と接地間で5MΩ以上あることを確認してください。
    ※必ず、通電を停止してから行ってください。

  10. 10参考変圧器の選定について(負荷の種類に対して)

    変圧器の選定について(負荷の種類に対して)

    ■電動機(モーター) 電動機は、直入れ方式の場合は始動時に大きな電流が流れ、
    また、運転時も電動機の出力Wに対しておおよそ 1.5倍前後~数倍の電流が流れます。よって、変圧器もこの電流に対応した容量が必要です。小出力の電動機ほど倍率が大きくなります。始動時の大きな電流により変圧器内で二次電圧が低下し、他の電気機器の動作不良や電動機の始動不良が生じる可能性があります。

    • 例)数 kW 以下の直入れ式の場合は
    • ●単相モーター 200W:トランス 600 ~ 700VA
      750W:1.4 ~ 1.8kVA
    • ●三相モーター 750W:トランス 1.4 ~ 1.7kVA
      2.2KW:3.5 ~ 4kVA

    また、容量の大きな電動機は、始動方法(回路)によって始動電流を抑えることがありますので、始動方法の確認が必要です。ご不明な点は、弊社へご相談ください。

    ■電動機(インバーターモーター) インバーターモーターは、制御方式の特性上、
    出力Wに対して約2倍の変圧器容量が必要です。

    ■ヒーター 力率が 1(cosø = 1.0)なので W=VA となりますが、
    約2割の余裕を推奨しています。

    ■白熱電灯 力率が 1(cosø = 1.0)なので W=VA となりますが、
    約2割の余裕を推奨しています。

    ■蛍光灯 安定器の種類(高力率・低力率)によって異なります。
    高力率の場合は、W に対して約 1.5倍の容量が必要です。低力率の場合は、W に対して約 2.5倍の容量が必要です。

    ■LED灯 白熱電灯のWと異なり、実際の電流は小さくなっています。
    定格電流に対して約 2倍の容量が必要です。